例:「クリーチャー2体を対象とする。それらをタップする。」という能力があった場合、同じクリーチャーを2回対象にすることはできず、適正な対象2つが必要である。一方、「アーティファクト1つと土地1つを対象とする。それらを破壊する。」という能力があった場合、対象群は2つあるので、アーティファクト・土地1つを2回対象にすることができる。
例:マナ・コストが{1}{B}でクリーチャー1体を生け贄に捧げる追加コストを持つ《祭壇の刈り取り》を唱える。ここで、あなたの黒の呪文を唱えるためのコストを{1}減らす効果を持つ《雷景学院の使い魔》をこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《祭壇の刈り取り》のコストは{1}{B}になることはなく、{B}となったままである。
例:プレイヤーが「あなたの 対戦相手はマナ総量が偶数のすべての呪文を唱えられない。(0は偶数である。)」の能力を持つ《虚空の選別者/Void Winnower》をコントロールしているとき、その対戦相手はマナ・コストが{X}{R}{R}である《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》を唱え始めることができる。これはXの値の選択によって、その呪文のマナ総量が奇数になることがありうるからである。
例:オーラ・呪文を瞬速を持つかのように 唱えてもよいという効果があり、手札に授与を持つクリーチャー・カードがある場合、授与 呪文の代替コストを選ぶことでその呪文はオーラ・呪文 になるので、瞬速を持つかのようにその呪文を唱え始めることは適正である。
例:《ガラクの大軍》には、「あなたの ライブラリーの一番上からクリーチャー・呪文を唱えてもよい。」という効果が存在する。あなたが《ガラクの大軍》をコントロールしていて、あなたの ライブラリーの一番上のカードが変異を持っていてクリーチャーでないカードだった場合、あなたは変異 能力を用いてそれを唱えてもよい。
例:《イゼットの模範、メーレク》には、「あなたの ライブラリーの一番上からインスタントやソーサリーである呪文を唱えてもよい。」という効果が存在する。あなたが《イゼットの模範、メーレク》をコントロールしていて、あなたの ライブラリーの一番上にあるカードが《切り落とし》というインスタントの出来事を持つ当事者・クリーチャー・カードである《巨人落とし》だった場合、あなたは《切り落とし》を唱えることはできるが《巨人落とし》を唱えることはできない。あなたがコントロールしているカードが《イゼットの模範、メーレク》でなく《ガラクの大軍》でライブラリーの一番上のカードが《巨人落とし》だった場合、あなたは《巨人落とし》を唱えることはできるが《切り落とし》を唱えることはできない。
例:《豊穣の碑文》はキッカーとモードを持つ呪文で、「以下から1つを選ぶ。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに以下から望む数だけ選ぶ。」と書かれている。この呪文で選んだモードを宣言するとき、キッカー・コストの支払いの選択は宣言の手順上それよりも後であるが、コントローラーは望む数のモードを選ぶことができる。
例:「{2}, {T}:あなたは1点のライフを得る。」という能力の起動コストは、任意のタイプのマナ2点に加えて、その能力を持つパーマネントをタップすることである。
例:「土地が1つ戦場から墓地に置かれるたび/Whenever a land is put into a graveyard from the battlefield」という誘発条件の能力を持つパーマネントがあるときに、誰かがすべての土地を破壊する呪文を唱えた場合、その能力はその呪文の解決中に墓地に送られた土地の枚数とおなじ回数だけ誘発する。
例:パーマネントが「タップ状態 になった」ときに誘発する能力は、戦場にあるパーマネントの位相がアンタップ状態からタップ状態 になった時にのみ誘発する。
例:《フェリダーの君主》は「あなたのアップキープの開始時に、あなたの ライフが40点以上である場合、あなたはこのゲームに勝利する。」という能力を持つ。このコントローラーのライフの総量は、そのプレイヤーのアップキープが始まる際にチェックされる。ライフが39点以下である場合、この能力は誘発しない。40点以上である場合、この能力は誘発し、スタックに積まれる。この能力の解決に際し、このプレイヤーのライフの総量は再びチェックされる。ライフが39点以下である場合、この能力はスタックから取り除かれ、効果を持たない。40点以上である場合、この能力は解決され、そのゲームはそのプレイヤーの勝ちになる。
例:「すべての土地はクリーチャーである。」という効果の影響下で土地・カードがプレイされた場合、効果は土地・カードを戦場に出る瞬間にクリーチャーに変えるため、クリーチャーが戦場に出たときに誘発する能力を誘発させる。逆に、「すべてのクリーチャーはすべての能力を失う。」という効果の影響下で、戦場に出たときの誘発型能力を持つクリーチャーが戦場に出た場合、効果は戦場に出る瞬間にその能力を失わせるため、戦場に出たときの誘発型能力は誘発しない。
例:「このクリーチャーが戦場を離れたとき、」という一文を含む遅延誘発型能力が作られるより前に、そのクリーチャーが戦場を離れることがある。この場合、その遅延誘発型能力が誘発されることはない。
例:「このクリーチャーがアンタップ状態 になったとき、」という遅延誘発型能力が作られる前に、そのクリーチャーがアンタップされていたら、その能力は、そのクリーチャーが(一旦タップされてから)次にアンタップされるのを待つ。
例:「次の終了ステップの開始時に、このクリーチャーを追放する。」という能力は、そのクリーチャーが次のターン終了ステップにはクリーチャーでなくなっていたとしてもそのパーマネントを追放する。しかし、それ以前に戦場を離れていた場合には何もしない。
例:パーマネントの能力に「あなたの 手札にカードが1枚もないたび、カード1枚を引く。」とあったとする。コントローラーがその最後のカードをプレイした場合、この能力は一度誘発し、スタックを離れるまでは再び誘発することはない。そのコントローラーが「あなたの 手札を捨てる。その後、同じ枚数のカードを引く。」という呪文を唱えた場合、その呪文の解決中にそのプレイヤーの手札が一時的に0枚になるので、この能力は誘発する。
例:2体のクリーチャーと、「クリーチャー1体が死亡するたび、あなたは1点のライフを得る。」という能力を持ったアーティファクトが戦場にあるとする。誰かが、すべてのアーティファクト、クリーチャー、エンチャントを破壊する呪文を唱えた。このアーティファクトは、クリーチャーと同時に墓地に行くが、その能力は2回誘発する。
例:「各ターン、最初に引いたカード1枚を公開する。この方法で基本 土地・カードを公開するたび、カード1枚を引く。」というのは、誘発型能力と関連した常在型能力である。
例:《心臓貫きのマンティコア》には「心臓貫きのマンティコアが戦場に出たとき、あなたはこれでないクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしたとき、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。心臓貫きのマンティコアはそれに、その生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい点数のダメージを与える。」という能力がある。この再帰誘発型能力は、元の誘発型能力によって他のクリーチャーを生け贄に捧げていた場合にのみ誘発し、他の理由でクリーチャーを生け贄に捧げていたとして誘発しない。
例:あるパーマネントに、「{T}:あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき{G}を加える。」という能力があるとする。この能力は、あなたがクリーチャーをコントロールしていない時や、すでにこのパーマネントがタップ状態であるときにもマナ能力である。
例:「プレイヤーが土地をマナを出す目的でタップするたび、そのプレイヤーは、その土地から引き出された好きなタイプのマナ1点を加える。」というエンチャントがある。プレイヤーが呪文を唱える間に土地をタップしてマナを出した場合、追加のマナは即座に加えられ、その呪文の支払いに充てることができる。
606.5 忠誠度能力を起動するためのコストに、忠誠カウンターを載せたり取り除いたりする複数のコストが含まれる場合、それらのコストは忠誠カウンターを載せたり取り除いたりする単一のコストに合算される。
例:プレイヤーが、「あなたがプレインズウォーカーの忠誠度能力を起動するためのコストには[+1]が加わる。」を持つ《獅子のカルス》と、忠誠カウンター3個が置かれているプレインズウォーカーをコントロールしている。通常[+1]のコストを持つそのプレインズウォーカーの忠誠度能力の1つを起動する場合、その上に忠誠カウンター2個を置く。通常[-4]のコストを持つそのプレインズウォーカーの忠誠度能力の1つを起動する場合、その上から忠誠カウンター3個を取り除く。
例:《嵐景学院の戦闘魔道士》は「キッカー{W}、キッカー{2}{B}」と、それが戦場に出たときに誘発する可能性がある能力2つを持つ。1つ目の能力は{W}のキッカーでキッカーされていた場合に誘発し、2つ目の能力は{2}{B}のキッカーでキッカーされていた場合に誘発する。それらの誘発型能力はそれぞれキッカー 能力に関連している。
例:《極楽の羽飾り》は以下の3つの能力を持つ。「極楽の羽飾りが戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」「プレイヤーが選ばれた色の呪文1つを唱えるたび、あなたは1点のライフを得る。」「{T}: 選ばれた色のマナ1点を加える。」1つ目と2つ目は関連した能力であり、1つ目と3つ目も関連した能力である。
例:《弧炎撒き》は「{R}、あなたの ライブラリーのカードを一番上から10枚追放する:クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。弧炎撒きはそれに2点のダメージを与える。」という能力を持つ。《石の死の姉妹》は「{B}{G}: 石の死の姉妹をブロックするかこれにブロックされているクリーチャー1体を対象とする。それを追放する。」「{2}{B}:石の死の姉妹により追放されているクリーチャー・カード1枚をあなたの コントロール下で戦場に出す。」という能力を持つ。《水銀の精霊》は「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。《水銀の精霊》で《弧炎撒き》の能力を得、それを起動したあと、《石の死の姉妹》の能力を得て、クリーチャー・カードを追放する能力を起動したとする。この後、《石の死の姉妹》から得た戦場に戻す能力を起動したとしても、《石の死の姉妹》由来の能力によって《水銀の精霊》が追放したカードしか戦場に戻すことはできない。《弧炎撒き》由来の能力で追放されたクリーチャー・カードは戦場に戻らない。
例:《万物の声》が戦場に出て《不定の多相の戦士》がそれをコピーしたとする。《万物の声》は「万物の声が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」と「万物の声は、プロテクション(その選ばれた色)を持つ。」を持つ。《不定の多相の戦士》は、《万物の声》として戦場に出てはいないので、その色を選ぶ機会は存在せず、従ってプロテクション 能力を得ることはない。
例:《Vesuvan Doppelganger》が《万物の声》のコピーとして戦場に出て、《Vesuvan Doppelganger》のコントローラーは青を選び、後に、《Vesuvan Doppelganger》が「{T}: あなたの マナ・プールに、その選ばれた色のマナ1点を加える。」を持つ《クウィリーオン・エルフ》をコピーしたとする。《Vesuvan Doppelganger》は色を選んで入るが、《クウィリーオン・エルフ》からコピーしたマナ能力と関連した能力で選ばれたものではない。《Vesuvan Doppelganger》のそのマナ能力を起動した場合、マナは発生しない。
例:《ソリンの渇き》は「クリーチャー1体を対象とする。ソリンの渇きはそれに2点のダメージを与え、あなたは2点のライフを得る。」という黒のインスタントである。この対象 になったクリーチャーが《ソリンの渇き》の解決時に適正な対象でなかった場合(例えば、プロテクション(黒)を得たり、戦場を離れていたりした場合)、《ソリンの渇き》は解決されない。そのコントローラーはライフを得ることができない。
例:《疫病の胞子》は「黒でないクリーチャー1体と土地1つを対象とする。それらを破壊する。それらは再生できない。」という効果を持つ。クリーチャー・土地1つを、黒でないクリーチャーとしても土地としても対象にした場合、その後でそのクリーチャー・土地が黒になったとしても、《疫病の胞子》は「土地1つ」を対象とする部分について適正な対象をとるので、解決される。「黒でないクリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。」という部分はそのパーマネントに影響を及ぼさないが、「土地1つを対象とする。それを破壊する。」部分がそのパーマネントを破壊することになる。また、それは再生できない。
例:「あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしないなら、あなたは4点のライフを失う。」という呪文があるとする。クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは、生け贄に捧げるという選択肢を選ぶことはできない。
例:《露骨な窃盗》には「対戦相手1人につき、そのプレイヤーがコントロールするパーマネント1つを対象とする。あなたはそれのコントロールを得る。」と書かれている。《露骨な窃盗》の解決に際し、そのコントローラーは対象として選ばれたパーマネントすべてのコントロールを同時に得る。
例:《魂火の噴火》には「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち望む数を対象とする。それらにつきそれぞれ『あなたの ライブラリーの一番上のカードを追放する。その後、魂火の噴火はそのパーマネントやプレイヤーに、そのカードのマナ総量に等しい点数のダメージを与える。』を行う。」と書かれている。プレイヤーが《魂火の噴火》を唱え、対戦相手1人とそのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象としたとする。《魂火の噴火》の解決に際し、そのプレイヤーは同時に自分のライブラリーの一番上のカードを複数回追放することはできないので、最初にどの対象を扱うかを選び、それから自分のライブラリーの一番上のカードを追放し、最後に《魂火の噴火》がその対象にダメージを与える。その後、残りの対象についてこの工程を繰り返す。
例:白でも黒でもあるクリーチャーは、「黒であるすべてのクリーチャーを破壊する。」という効果で破壊されるが、「黒でないすべてのクリーチャーを破壊する。」という効果では破壊されない。
例:《哀れみの壁》は「哀れみの壁がクリーチャー1体をブロックするたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ。《哀れみの壁》がクリーチャーをブロックした後、そのクリーチャーが能力の解決前にクリーチャーでなくなったとしても、そのパーマネントはオーナーの手札に戻される。
例:《Worms of the Earth》は「土地は戦場に出られない。」という能力を持つ。《クローン》は「あなたは『クローンは、戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出る。』を選んでもよい。」という能力を持つ。《Worms of the Earth》が戦場にある状況で、《クローン》を唱えて《ドライアドの東屋》(クリーチャー・土地)をコピーすることを選んだ場合、《クローン》はスタックから戦場に出ることができなくなり、オーナーの墓地に置かれる。
例:すべての土地をクリーチャーに変える効果は、プレイヤーの墓地にある土地・カードには影響を及ぼさない。しかし、呪文を唱えるためのコストを増減する効果は、プレイヤーが唱えている途中である呪文が存在しうるのはスタックだけなので、スタックにある呪文にだけ影響を及ぼす。
例:プレイヤーが1枚だけ手札を持っている場合、「手札2枚を捨てる。」という効果はその持っているカードだけを捨てさせる。ライブラリーからカードを(引くのではなく)移す効果は、可能な枚数だけ移す。
例:「あなたはすべての呪文を瞬速を持つかのように 唱えてもよい。」というアーティファクト《ヴィダルケンの宇宙儀》をコントロールしているプレイヤーが、「あなたは他のプレイヤーの墓地から、それらのカードがあなたの 墓地にあるかのように、土地をプレイしたり呪文を唱えたりしてもよい。」というインスタント《シャーマンの恍惚》を唱えた。そのプレイヤーは他のプレイヤーの墓地にあるフラッシュバックつきのソーサリーを、自分の墓地にあるかのように、そして瞬速を持っているかのように 唱えてよい。
例:プレイヤーが《仔熊》で攻撃した。その後、そのターンの間に、効果によって《仔熊》がクリーチャーでないパーマネント になった。その同じプレイヤーがその後、「この呪文を唱えるためのコストは、このターンにあなたが攻撃させたクリーチャー1体につき{1}少なくなる。」を持つ呪文《捜索隊の隊長》を唱えた。そのプレイヤーが攻撃させた《仔熊》はすでにクリーチャーではないが、そのプレイヤーはクリーチャー1体を攻撃させたので、この呪文のコストは{1}少なくなる。
例:《放逐する僧侶》2体がそれぞれカード1枚を追放している。すべてのクリーチャーが同時に《審判の日》で破壊された。この場合、追放されていた2体のカードは同時に戦場に戻る。
例:《練達の盗賊》は、「練達の盗賊が戦場に出たとき、アーティファクト1つを対象とする。あなたが練達の盗賊をコントロールし続けているかぎり、あなたはそれのコントロールを得る。」という誘発型能力を持つ。この能力が解決されるよりも先に《練達の盗賊》のコントロールを失った場合、持続期間、つまり「あなたが練達の盗賊をコントロールし続けているかぎり」という期間は効果が発生する前に終わっているので、効果は発生しない。
例:「ターン終了時まで、白であるすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」という効果は、その呪文または能力が解決した時点で白であれば、すべてのパーマネントに修整を得させる。たとえ後で色が変わっても、その修整を失うことはない。また、その後で戦場に出たり白に変わったりしたクリーチャーには影響を及ぼさない。
例:「このターン、すべてのクリーチャーが与えるすべてのダメージを軽減する。」という効果は、オブジェクトの特性を変更しないので、ゲームのルールを変更している。つまり、この効果は、この継続的効果が発生した時点で戦場に出ていなかったクリーチャーや、このターンのより後の時点でクリーチャー になったパーマネントによるダメージにも影響を及ぼす。
例:《理想の調停者》はアーティファクト・カードやクリーチャー・カード、土地・カードを戦場に出し、「そのパーマネントは、他のタイプに加えてエンチャントでもある。/That permanent is an enchantment in addition to its other types.」と書かれている。この場合、エンチャントが戦場に出たときに誘発する能力は誘発する。そのパーマネントが戦場に出た後でエンチャント になるわけではない。
例:「白であるすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」という常在型能力を持つパーマネントは、戦場にある白のクリーチャーのそれぞれに+1/+1を継続的に得させる効果を生む。クリーチャーが白になったらこの修整を得、白でなくなったらこの修整を失う。
例:「白であるすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」という常在型能力を持つパーマネントが戦場にある場合、通常1/1の白クリーチャーを生むクリーチャー・呪文は、代わりに2/2の白クリーチャーを生む。1/1のクリーチャーが戦場に出て、それから2/2になるのではない。
例:1/3クリーチャーが効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の適用後に、他の効果によって+5/+0の修整を受ける場合、「入れ替え前」の値は6/4となり、実際の値は4/6になる。
例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の終了前に+0/+1の効果が終わる場合、そのクリーチャーは3/1になる。
例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替え、さらに他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、2つの「入れ替え」効果が実質的に相殺され、結果のパワーとタフネスは1/4になる。
例:《清浄の名誉》は「あなたがコントロールしていて白であるすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」というエンチャントである。《清浄の名誉》と2/2の黒のクリーチャーが戦場に出ている時に、その黒のクリーチャーを白にする効果(第5種)が存在したとすると、《清浄の名誉》の効果(第7c種)を受けて3/3になる。この後で、このクリーチャーの色が赤になった(第5種)場合、《清浄の名誉》の効果は適用されなくなり、2/2に戻る。
例:2/2のクリーチャー《灰色オーガ》が戦場に出ている。これに+1/+1カウンターが置かれた(第7c種)場合、3/3になる。さらに「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+4/+4の修整を受ける。」という効果(第7c種)が適用されれば、7/7になる。「あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは+0/+2の修整を受ける。」というエンチャント(第7c種)が戦場に出たら、そのクリーチャーは7/9になる。ここで、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは0/1になる。」という効果(第7b種)が適用されたら、このクリーチャーは、(0/1→呪文の効果で+4/+4→エンチャントの+0/+2→カウンターの+1/+1→)5/8になる。
例:「野生の雑種犬は+1/+1の修整を受け、あなたが選んだ色1色 になる。」という効果は、パワー・タフネス変更効果でもあり、また色変更効果でもある。従って、「あなたが選んだ色1色 になる」部分が第5種として処理され、その後で「+1/+1の修整を受ける」部分が第7c種として処理されることになる。
例:《反逆の行動》は「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。ターン終了時まで、それは速攻を得る。」という効果を持つ。これはコントロール変更効果であり、能力追加効果である。従って、「それのコントロールを得る」部分は第2種、「速攻を得る」部分は第6種として処理される。
例:「ターン終了時まで、クリーチャーでないすべてのアーティファクトは2/2のアーティファクト・クリーチャー になる。」という効果は、タイプ変更効果でもあり、パワー・タフネス変更効果でもある。タイプ変更効果は、クリーチャーでないすべてのアーティファクトに対して第4種で適用され、パワー・タフネス変更効果はそれらのパーマネントに対して第7b種で適用される。この時点までに、そのパーマネントはクリーチャーでないアーティファクトではなくなっているが、予定通り適用される。
例:《安息の無い墓、スヴォグトース》が戦場に出ていて、これに「土地1つを対象とする。ターン終了時まで、それは3/3のクリーチャー になる。それは土地でもある。」という効果(第4種および第7b種)が適用されたとする。この後、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受ける。」という効果(第7c種)を適用すると、4/4の土地・クリーチャー になる。この後、《安息の無い墓、スヴォグトース》の能力「ターン終了時まで、安息の無い墓、スヴォグトースは『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたの 墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい。』の能力を持つ黒緑の植物・ゾンビ・クリーチャー になる。これは土地でもある。」(第4種、第5種、第7b種)を起動した場合、あなたの 墓地にクリーチャー・カードが10枚あったとすると、《安息の無い墓、スヴォグトース》のパワーとタフネスは11/11になり、その後墓地の枚数が変わるにつれて変動する。この後、もう一度最初の効果が適用されたとしたら、再び4/4の土地・クリーチャー になることになる。
例:《飛行のルーン》は、エンチャントしている装備品に「装備しているクリーチャーは飛行を持つ。」を与えるオーラである。プレイヤーが《飛行のルーン》を、「装備しているクリーチャーは+10/+10の修整を受け飛行を失う。」という装備品である《巨像の鎚》につけた。《飛行のルーン》によって与えられる能力は、《飛行のルーン》のタイムスタンプのほうが《巨像の鎚》のタイムスタンプよりも遅いので、《飛行のルーン》のタイムスタンプを共有する。《巨像の鎚》がクリーチャーについた場合、それの両方の能力は新しいタイムスタンプを得る(rule 613.7e 参照)が、それらのタイムスタンプの相対的順序は変わらない。
例:単一のクリーチャーに、「エンチャントしているクリーチャーは飛行を持つ。」というオーラと、「エンチャントしているクリーチャーは飛行を失う。」というオーラからの2つの効果が影響を及ぼしている。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に作られた効果が「勝つ」ことになる。それらの効果のいずれかが持続時間のあるもの(「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは飛行を失う。」)やオーラでない発生源からのもの(「すべてのクリーチャーは飛行を失う。」)であっても、同じ適用法により同じ結論になる。
例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1を得る。」「エンチャントしているクリーチャーは白である。」という2つの効果があった場合、そのエンチャントしているクリーチャーは、元の色に関らず、+1/+1の修整を受けることになる。
例:クリーチャーを破壊する呪文に対応して、再生 能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、クリーチャーを再生することができる機会は存在しない。
例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールしているクリーチャーがパーマネントやプレイヤーにダメージを与えるなら、代わりに、その倍のダメージをそのパーマネントやプレイヤーに与える。」という能力を持ったパーマネント2つをコントロールしているとする。この場合、通常2点のダメージを与えるクリーチャーは、8点のダメージを与える。4点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。
例:《万物の声》は「万物の声が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」「万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ。」という能力を持つ。《万物の声》のコピーであるトークンが何らかの効果によって生成される場合、そのトークンが生成されるに際して、そのトークンのコントローラーは色1色を選ぶ。
例:《イクスリッドの看守》は「墓地にあるすべてのカードはすべての能力を失う。」という能力を持つ。《スカーウッドのツリーフォーク》は「スカーウッドのツリーフォークはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つ。《イクスリッドの看守》がいるときに《スカーウッドのツリーフォーク》が墓地から戦場に出る場合、タップ状態で戦場に出る。
例:《夢の宝珠》は「すべてのパーマネントはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つアーティファクトである。これはそれ自身には影響を及ぼさないので、《夢の宝珠》はアンタップ状態で戦場に出る。
例:「縫合グールが戦場に出るに際し、あなたの 墓地にある好きな枚数のクリーチャー・カードを追放してもよい。」という能力を持つクリーチャー《縫合グール》と《ルーン爪の熊》が同時に墓地から戦場に出る場合、《縫合グール》の置換効果を適用する時点でこの2枚はどちらも追放することを選ぶことはできない。
例:次元・カード《ジャンド》は「いずれかのプレイヤーが黒か赤か緑のクリーチャー・呪文を唱えるたび、それは貪食5を得る。」という能力を持つ。《ルーン爪の熊》をコントロールしているプレイヤーが、貪食3を持つ赤のクリーチャー・呪文《雷団の古老》を唱えた場合、《雷団の古老》が戦場に出るに際してそのコントローラーは《ルーン爪の熊》を貪食3の効果適用時か貪食5の効果適用時か選ぶことができるが、その両方で生け贄に捧げることはできない。《雷団の古老》はその選択によって、+1/+1カウンターを0個、3個、または5個持った状態で戦場に出る。
例:《忌まわしき干渉者、アショク》は、「あなたの ライブラリーに支払う点数以上の枚数のカードがある間にライフを支払うなら、代わりに あなたの ライブラリーの一番上にあるその点数に等しい枚数のカードを追放する。」という能力を持つ。《繁殖池》は、「繁殖池が場に出るに際し、あなたは2点のライフを支払ってもよい。」という能力を持つ土地である。《忌まわしき干渉者、アショク》をコントロールしているプレイヤーが、効果によってライブラリーの一番上から《繁殖池》をプレイし、《繁殖池》が戦場に出るに際してライフを支払うことを選んだ場合、《忌まわしき干渉者、アショク》の置換効果は戦場に出る《繁殖池》を無視し、その次にあるカード2枚を追放する。
例:ダメージを与える呪文に対応して、ダメージを軽減する能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、ダメージを軽減することができる機会は存在しない。
例:《圧倒する防衛者》には「発生源1つがあなたがコントロールしているクレリックにダメージを与えるなら、そのダメージ1点を軽減する。」と書かれている。《紅蓮地獄》には「紅蓮地獄は各クリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与える。」と書かれている。《紅蓮地獄》は、《圧倒する防衛者》のコントローラーがコントロールしている各クレリックにそれぞれ1点ずつ、それ以外の各クリーチャーにそれぞれ2点ずつのダメージを与える。
例:《ウォジェクの薬剤師》は「{T}: クリーチャー1体を対象とする。このターン、それ、およびそれと共通の色を持ちそれでない各クリーチャーが次に受けるダメージ1点を軽減する。」という能力を持つ。この能力の解決によって、対象となったクリーチャーと、その時点でそれと共通の色を持つすべてのクリーチャーに、次の1点のダメージを軽減する盾が作られる。この能力の解決以降にクリーチャーの色を変えても、盾が増えたり減ったりすることはない。また、このターンの間、これの解決以降に戦場に出たクリーチャーが盾を得ることはない。
例:2つのパーマネントが戦場にあり、「カードがいずこかから墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。」と書かれているエンチャントと、「[このクリーチャー]が死亡するなら、代わりにこれをオーナーのライブラリーに加えて切り直す。」と書かれているクリーチャーである。そのクリーチャーが破壊された場合、それのコントローラーがどちらの置換効果を先に適用するか決定する。その結果、他方は何もしない。
例:《荒れ野の本質》には「あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは、荒れ野の本質のコピーとして戦場に出る。」と書かれている。《荒れ野の本質》をコントロールしているプレイヤーが、通常はタップ状態で戦場に出る《錆びた歩哨》を唱えた。それが戦場に出るに際し、《荒れ野の本質》のコピー 効果が先に適用される。その結果、タップ状態で戦場に出させる能力はすでに存在しないので、《錆びた歩哨》は《荒れ野の本質》のコピーとして、アンタップ状態で戦場に出る。
例:プレイヤーが「《万物の声》が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」という能力を持つ《万物の声》のコピーであるトークンを作るように指示された。《倍増の季節》には「効果があなたの コントロール下で1個以上のトークンを生成するなら、代わりにそれはその2倍の数のトークンを生成する。」という能力を持つ。戦場に出るということはトークンを生成するというイベントの一部であるイベントなので、《倍増の季節》の効果が必ず先に適用される。その後、《万物の声》トークン2つの効果が任意の順で適用されることになる。
例:「あなたが1点のライフを得るなら、その代わりに カード1枚を引く。」という効果と「あなたがカード1枚を引くなら、その代わりに あなたの 墓地にあるカード1枚をあなたの 手札に戻す。」という効果が存在した場合、(その2つが存在するようになった順序には関係なく)結合されて、そのプレイヤーは1点のライフを得る代わりに自分の墓地にあるカード1枚を手札に戻すことになる。