例:「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの 手札にあるカードの枚数に等しい。」というクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが、「あなたの 手札を捨て、その後、カード7枚を引く。」という呪文を唱えたとする。このクリーチャーは、呪文の解決の途中で一時的にタフネスが0になるが、呪文の解決が終わった時点ではタフネスが7に戻っている。よって、このクリーチャーは、状況起因処理がチェックされる時点では生き残る。これと対照的に、手札がなくなったときに誘発する能力は、解決中に誘発イベントが発生していたので、呪文の解決後にスタックに積まれる。
例:「あなたがこのゲームに敗北するなら、代わりに あなたの 手札とあなたの 墓地とあなたがオーナーであるすべてのパーマネントをあなたの ライブラリーに加えて切り直し、その後カード7枚を引き、あなたの ライフの総量を20点にする。」という《死者の鏡》をコントロールしている時に、ライブラリーの残り枚数が1枚であり、ライフの総量が1点である。この場合にカード2枚を引き、2点のライフを失うという呪文の効果が処理されたとすると、次の状況起因処理のチェックによって、rule 704.5a と rule 704.5b の2つの条項によってゲームに負けることになるが、《死者の鏡》はその両方の負けを置換し、あなたはゲームを続けることになる。
例:プレイヤーが+1/+1カウンターが1個乗っている状態の不死を持つ1/1クリーチャー《若き狼》をコントロールしている。呪文によって、《若き狼》に、-1/-1カウンターが3つ乗せられた。状況起因処理が行われる前の状態では、《若き狼》には+1/+1カウンター1つと-1/-1カウンター3つが乗っている。状況起因処理の結果、《若き狼》は墓地に置かれる。戦場にあった最後の時点では+1/+1カウンターが乗っているので、不死は誘発しない。