例:《ソリンの渇き》は「クリーチャー1体を対象とする。ソリンの渇きはそれに2点のダメージを与え、あなたは2点のライフを得る。」という黒のインスタントである。この対象 になったクリーチャーが《ソリンの渇き》の解決時に適正な対象でなかった場合(例えば、プロテクション(黒)を得たり、戦場を離れていたりした場合)、《ソリンの渇き》は解決されない。そのコントローラーはライフを得ることができない。
例:《疫病の胞子》は「黒でないクリーチャー1体と土地1つを対象とする。それらを破壊する。それらは再生できない。」という効果を持つ。クリーチャー・土地1つを、黒でないクリーチャーとしても土地としても対象にした場合、その後でそのクリーチャー・土地が黒になったとしても、《疫病の胞子》は「土地1つ」を対象とする部分について適正な対象をとるので、解決される。「黒でないクリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。」という部分はそのパーマネントに影響を及ぼさないが、「土地1つを対象とする。それを破壊する。」部分がそのパーマネントを破壊することになる。また、それは再生できない。
例:「あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしないなら、あなたは4点のライフを失う。」という呪文があるとする。クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは、生け贄に捧げるという選択肢を選ぶことはできない。
例:《露骨な窃盗》には「対戦相手1人につき、そのプレイヤーがコントロールするパーマネント1つを対象とする。あなたはそれのコントロールを得る。」と書かれている。《露骨な窃盗》の解決に際し、そのコントローラーは対象として選ばれたパーマネントすべてのコントロールを同時に得る。
例:《魂火の噴火》には「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち望む数を対象とする。それらにつきそれぞれ『あなたの ライブラリーの一番上のカードを追放する。その後、魂火の噴火はそのパーマネントやプレイヤーに、そのカードのマナ総量に等しい点数のダメージを与える。』を行う。」と書かれている。プレイヤーが《魂火の噴火》を唱え、対戦相手1人とそのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象としたとする。《魂火の噴火》の解決に際し、そのプレイヤーは同時に自分のライブラリーの一番上のカードを複数回追放することはできないので、最初にどの対象を扱うかを選び、それから自分のライブラリーの一番上のカードを追放し、最後に《魂火の噴火》がその対象にダメージを与える。その後、残りの対象についてこの工程を繰り返す。
例:白でも黒でもあるクリーチャーは、「黒であるすべてのクリーチャーを破壊する。」という効果で破壊されるが、「黒でないすべてのクリーチャーを破壊する。」という効果では破壊されない。
例:《哀れみの壁》は「哀れみの壁がクリーチャー1体をブロックするたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ。《哀れみの壁》がクリーチャーをブロックした後、そのクリーチャーが能力の解決前にクリーチャーでなくなったとしても、そのパーマネントはオーナーの手札に戻される。
例:《Worms of the Earth》は「土地は戦場に出られない。」という能力を持つ。《クローン》は「あなたは『クローンは、戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出る。』を選んでもよい。」という能力を持つ。《Worms of the Earth》が戦場にある状況で、《クローン》を唱えて《ドライアドの東屋》(クリーチャー・土地)をコピーすることを選んだ場合、《クローン》はスタックから戦場に出ることができなくなり、オーナーの墓地に置かれる。